「ぼく」と「あたし」

自分を表現する代名詞はいろいろがあるが、ブログでは「ぼく」を使っている。「私」でなく「ぼく」を使うのは、ここではなるべく親しみやすい表現を使いたいからだ。ブログを離れて学生と話すときでも「ぼく」を使うことが多いのだけど、これはぼくの先生が学生と同じ目の高さで話してくださったときによく使っておられたのを聞いて、いいなあと思ったことがあったからだ。「ぼくもよくわからんのだけどね‥‥」。そう言いつつ、先生はわかっていなかったわけではなかったのだけど、そういう謙虚な、自分も同じく学ぶ者であるといったニュアンスのこもった言い方にぼくは惹かれた。

「僕」ではなく「ぼく」を使うのは、できるだけ漢字を使いたくないからだ。個人的には漢字の「僕」は「しもべ」という意味が見え隠れして重い感じがするし、なるべくひらがなを使っていくという最近の文章の考え方にも合うと思っている。(ただし、つい最近のことについて言えば、漢字を使って文字数を少なくしようとするテレビの字幕が普及してきたことから、逆の傾向も出てきている。)(「僕」を使っている方、お気を悪くなさらないよう。)

授業で女性たちに、どうして「私」でなくて「あたし」を使うの?と尋ねてみた。前々から不思議だったからだ。てっきり、「私」という型どおりの手垢にまみれた言葉では表現し切れない(と当人が思っている)自分らしさを強調したい人、それを受け容れて欲しい人が使うのかと思ったら、「その方が発音しやすいから」と答えた人がいた。聞いてみるものだ。

by enzian | 2009-04-25 00:02 | ※キャンパスで | Trackback | Comments(16)

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Commented by non at 2009-04-25 09:10 x
昨夜から しとしとではなく じめじめでもなく・・・
ざーざーでもなく (・_・、) え~っと 
地面に染み入るように雨が降り続いていますね。

常日頃 男性は自称表現が 色々あっていいなと思っていました。
わたくし わたし ぼく ワシ オレ わい・わて(笑)

私世代の普通の主婦は たいてい 「わたし」を使っています。
姪は たまに「うち」で そういえば「あたし」とも言っているような~
私は 「わたし」の方が「あたし」より発音しやすいです。
「あたし」だと 最初から大口開けないといけないし(笑)

男性が「ぼく」と言うのは 好ましいと思いますが
そういう人が たまに「オレ」っていう時も ちょっといい感じ~とか
思ってしまいます。(人にも依りますが)
Commented by enzian at 2009-04-25 09:53
nonさん

おはようございます。
しっかり降ってますね。
この雨でアミガサタケがわさわ出るのです。
^▽^)ケケケ

自称表現は男性のものの方が多いでしょうね。
ぼくの母は「うち」を使ってました。
そして恐るべきことに、祖母は「わし」を使ってました。
(そういう文化で、違和感はなかったのです。)

>たまに「オレ」っていう時も ちょっといい感じ~とか

これはここぞというときに使いますね。
上級者にしか使いこなせないものなのです。^^v
Commented by kaori--y at 2009-04-25 20:43
上のコメントを拝見して思い出したのですが、
私の田舎では女性でも自分を「オレ」と言います。
特におばあちゃん達がよく言います。
東北地方だけかなぁ。なまると「オラ」になったり。

岩手も雨です~。寒いです~。(10℃以下)
Commented by enzian at 2009-04-25 22:13
かおりさん

>私の田舎では女性でも自分を「オレ」と言います。
特におばあちゃん達がよく言います。

高橋留美子のマンガに「めぞん一刻」というのがありますが、
そこに出てくるおばあちゃん(雪国から来た)が、
「オレ」と言ってましたが、本当に
そんな言い方があるのですね。

>寒いです~。(10℃以下)

寒いのはヤだよ~゛(/><)/
Commented by aroomwithaview at 2009-04-26 12:23
こんにちは。

>型どおりの手垢にまみれた言葉では表現し切れない(と当人が思っている)自分らしさを強調したい人、それを受け容れて欲しい人

そんな風に感じたことがなかったので、人それぞれ感じ方って違うものなのだなぁと驚きました。

ちょっと話はそれるのですが、アメリカにいると主語が抜けると話にならないので、常に"I"を使うんです。そのせいか、たまに自分で自分に疲れてきます。自己主張の強度10の英語。
日本語で話していると、“わたし”といちいち言わなくても話が通じるから、英語を使う時と比べて寛容であやふやで都合のよい気がするんです。

そんな生活をしながら(アメリカにいながら)こんな記事を読むと、主語の選択肢がたくさんあって、それを使わなくても話が通じる日本語って豊かで不思議な言葉だなと感心します。

ちなみに、わたしは“ぼく”っていう響きが好きです。
Commented by enzian at 2009-04-26 17:02
aroomwithaviewさん

こんにちは。

>そんな風に感じたことがなかったので、人それぞれ感じ方って違うものなのだなぁと驚きました。

ぼくにはそのように感じられるのですが、
特に根拠があってのことではないと思います。
だから、使っている当人たちに聞いてみたのですが、
ぼくが考えるほどは意識していない、
という感じも受けました。

>自己主張の強度10の英語。

笑。
でも、だからこそ愛情がはっきり
伝わったりもするので‥‥
よいこともあるのではないかと。^^

>主語の選択肢がたくさんあって、それを使わなくても話が通じる日本語って豊かで不思議な言葉だなと感心します。

選択肢がたくさんあるということは、
それなりの理由があったのでしょうね。
まぁ味わい深い、と申しておきましょう。^^;

>ちなみに、わたしは“ぼく”っていう響きが好きです。

響きというのは大切だと思います。
Commented by etoile at 2009-04-27 18:43 x
はじめまして。

そういえば、一人称っていつから定まるものなんでしょう?
男性は、小さい頃は「ぼく」なのに、大人になるにつれて「俺」になってゆく人もいますよね。
それってどういう心境の変化があるんだろう。
「ぼく」という響きの子供っぽさに対する気恥ずかしさでしょうか。
女性のほうは成長に伴って一人称が変わるという例は比較的多くない気がしますね。
ちなみに私は「あたし」を極力使わないようにしています。
毎度毎度、自分は女だと他人に(または自分自身に)知らしめているようでなんだか気が重くなります。
女臭いのがいやなんです^^;

こういうのも自己顕示の手段になりうるのですねぇ。
Commented by enzian at 2009-04-27 22:30
etoileさん

はじめまして。

>そういえば、一人称っていつから定まるものなんでしょう?

最初の一人称を使いはじめる時期については、
発達心理学などの研究の見解があると思いますが、
一つの使い方が定まる時期というのはないのかもしれません。
いつ新しい使い方をしてもおかしくないですから。
心境の変化というのも、いつでも生じますしね。

>「ぼく」という響きの子供っぽさに対する気恥ずかしさでしょうか。

それは大いにあります。
「ぼく」というのはまず子どもが使う、
という印象がありますから。

>毎度毎度、自分は女だと他人に(または自分自身に)知らしめているようでなんだか気が重くなります。
女臭いのがいやなんです^^;

使ったことはありませんが、
なんとなくそれはわかります。^^;
だから、そんなこと風なことを答えてくれないかな~
と思って聞いてみたのですが、
あまりにも物理的な答え(発音しやすい)が返ってきて驚いた、
という顛末なのです。

>こういうのも自己顕示の手段になりうるのですねぇ。

なると思っているのですけどね。^^;
Commented by 907011 at 2009-04-28 07:33
話言葉はまた別物として、
書き言葉での一人称で
一度ボクに挑みましたが、
読み返してやはり修正しました。

自分>俺>ワタシ>ボク
という感じです。
「俺」というのはなんとなく罪悪感のような
すっきりしないものが残りますが、
ボク、使える時期があるんでしょうかねえ。
Commented by 座敷童 at 2009-05-01 01:59 x
文章を書く時は「私(わたくし)」ですね、
私信やカタい文章の時もこれを使います。
一人称は「私(わたし)」で発言する時は「自分」になります。
・・・あ、今考えたらうちの親戚はみんな一人称がわたしですね。
環境もあるのかもしれません。
ちなみに還暦をすぎると「儂」が解禁になります。
これは男女変わらず・・・田舎はワシワシいうとります。
そうそう、反抗期に一時期「小生」と言っていた頃がありました。
なんか、武士になりたかったのかなーと思います。
残念な子です。
Commented by 毒きのこ at 2009-05-01 23:47 x
ぼく・・ね、

ぼくに、ちょうだい!


驚くことに、私は、甘え子どもちゃんモードで、おうちリラックス時、
上記のような”少年・坊やモード”が入って、自分のことを呼びます
もう、何年もです・・・最初は身内から、何故だ・変だ・可笑しいと
言われ続けていましたが、すでに定着(苦笑)

ほら、ぼく、早くしなさい!

ぼくに、あげるからね。

などと、周囲も私をあやすことに手慣れたものです・・・
自分のことながらどのような心理でそうなるのか
深くはわかりませんが・・・「ぼく」と言ってる時は、
純粋で素直で悪戯好きな少年、と言った具合で心地よいのです

呼称を楽しむのは、お手軽な、コスプレ感覚でしょうか?


enzianさんには、どこでもかしこでも
「せんせいはなぁ~(熱中時代の水谷豊風)」
と、名乗り続けてほしいものです (^^)きゃはっ


Commented by enzian at 2009-05-02 22:28
907011さん

>一度ボクに挑みましたが、
読み返してやはり修正しました。

ぼくも「ボク」は使えません。(なんか表現がややこしい。^^;)
カタカナにはより年少化するようなニュアンスがありますので。
あぁそう、「ボクもそう思いまちゅ。」とかいう
ふざけた表現なら使えますが‥‥

ぼくの場合、オレは口語ではときどき使います。
どういう場合か、説明しにくいけど。。
Commented by enzian at 2009-05-02 22:36
座敷童さん

>文章を書く時は「私(わたくし)」ですね、

わたくしと読む私はほとんど使わないですね。
あぁそう、「わたくしも左様の如く思いまする。」とかいう
ふざけた表現なら使えますが‥‥

>ちなみに還暦をすぎると「儂」が解禁になります。
これは男女変わらず・・・田舎はワシワシいうとります。

お~うちの田舎もそう言うとった、言うとった。
60才という区切りだったかどうかはわからぬが。

>そうそう、反抗期に一時期「小生」と言っていた頃がありました。
なんか、武士になりたかったのかなーと思います。
残念な子です。

確かに残念。
今度は「拙者」でもう一度、
武士にトライしてください。
Commented by enzian at 2009-05-02 22:42
毒きのこさま

>深くはわかりませんが・・・「ぼく」と言ってる時は、
純粋で素直で悪戯好きな少年、と言った具合で心地よいのです

よいです、OKです。
自宅でぐらい、いちばん心地のよい表現を
使いたいですよね。

>enzianさんには、どこでもかしこでも
「せんせいはなぁ~(熱中時代の水谷豊風)」
と、名乗り続けてほしいものです (^^)きゃはっ

イヤだい!
ぼくは先生なんかじゃなくて、
永遠の少年なんだい!
(いっぺん、殴ってやってください。)
Commented at 2009-05-05 00:35
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by enzian at 2009-05-05 08:30
鍵コメさん

>写真を‥‥

どうもありがとうございます。

>「われ」とか「わい」

ぼくの郷里では「われ」というのは相手に
たいして使う場合がありました。
「わい」というのは、噂では聞いたことがありましたが、
実際に使う地方があるのですね。

>都会的なイメージ

「あたし」が都会的なイメージというのは驚きました。
でも「われ」や「わい」に慣れていらっしゃったのなら、
考えられることですね。
「わたし」は、より一般的な表現なのでしょう。

>積極性

なるほど。
ぼくはけっこう「あたし」に偏見をもっていたので、
今回、授業とブログ上で聞いてみてよかった
と思っています。

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