観てしまう

b0037269_1757384.jpgドキュメンタリー「山で最期を迎えたい」(山口放送制作)をまた観てしまった。

以前は民放でひっそり流されているのを観たが、今回は「日本放送文化大賞」のテレビ部門のグランプリを受賞したとかで、NHKでゲスト付きで放送されていた。番組ではなぜこのひとなの?というタレントが感想を語っていて、ミスキャストだと思った。「あたしわぁ~○○と思いますぅ~」といった口調に合うドキュメンタリーではないのだ。以前、興福寺の阿修羅像を取り上げた「NHKスペシャル」で、「阿修羅さま~」を連発するモデル?を多用しているのを観て、あやうく長年の “仏像” への思いが興ざめしそうになった苦い思いがよみがえった(あぁまた毒舌を、バカバカ)。

自分もまたこの名作について話すのに適した人物ではない。むしろぼくが言いたいのは、上で「観てしまった」と表現したことにかかわる。観れば切なくなるとわかっていたのに、なぜ今回もまた観てしまったのか、ということなのだ(ちなみに、この作品は切なさをテーマにしているわけではない)。そうなのである。あの最後のシーンは観ないでおいた方がいいとわかっていたのに、「観てしまった」のである。

ときどき考える。(たいていは、最悪の結果を生みはしないだろう、という前提のもとではあるにしても)無性にひとつの感情を力強く押し進めたい、昂進させたいと望んでしまうのはなぜだろう、と。「楽しい」ばかりが感情であればいいが、「怖い」や「悲しい」や「淋しい」や「切ない」もまた感情なのだ。つねひごろ、感情の “純粋さ” とか “力強さ” という視点とはなるべく距離を置こうと思っているが、再放送があればまた「観てしまう」だろう。

by enzian | 2009-06-21 18:03 | ※テレビ・新聞より | Trackback | Comments(21)

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Commented at 2009-06-22 00:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by eu2009 at 2009-06-22 00:20
 次に放送されることがあれば、是非見たいと思います。リンク先の紹介を、ありがとうございます。番組内容を読んだだけで山での17年を想像して胸が詰まる想いでした。
Commented by 907011 at 2009-06-22 04:00
おはようございます。
山の麓での農業を生業とし、ご縁あって最近は休日も別のさらに山の奥深くであまりに静かで悠々とした時間をいただいてます。

番組。ぜひ見てみたいと思いました。
Commented by kaori_tochiu at 2009-06-22 23:32
「僕の村の宝物」大西暢夫/著
という本はご存知ですか?番組の内容を拝見して思い出したのです。
ダムに沈む予定の村から完全に人がいなくなる直前、そこで暮らしていたおじいさんやおばあさんと交流を持つようになったカメラマンの方が書かれた本です。
最後の場所を自分で選ぶとか、不便でもその暮らしを大切にしているとか、その印象が近いなぁと思ったのです。(この本に出ていた方はその土地を離れざるを得なかったのですけど・・)

記事の感想とは違ってしまいました・・^^
ご紹介まででした。
Commented by えほんうるふ at 2009-06-23 08:53 x
面白そうな番組をご紹介いただきありがとうございました。
これは是非見たい番組だ!と思ってNHKオンデマンドで見られないかと思って調べてみたんですが、視聴可能番組として検索できませんでした。
残念だなぁ・・・。

「無性にひとつの感情を力強く押し進めたい」
何となく分かるような。
怖いのに、怖いモノ見たさで見てしまうのもそうですよね。
切ないもの見たさが募る時というのは、心のエッジが鈍ってくると研ぎたくなるようなものかしら。
鈍っているままの方が生きるのは楽なことも多いのに、そのままにしておけない性分はやっかいですね。
いや、私自身がそういう奴だってことです(笑)
Commented by 座敷童 at 2009-06-26 02:35 x
あれ、少年ハートを気取って毒舌をはいているような気が、
気のせいかな。ミスキャス・・・しー!

映像作品にはよく余韻が残りますよね。
以前栗のイガをちくちくしている記事を思い出しました。
結論が解っているからそこをなぞる事で、
補正しているように思います。
自分はいらないと思っているかもしれないものだからこそ、
それがなんだったかを確認しないと軸が見つからない、
そして自分が変わるときに、それによって気がつければと。
Commented by gauche3 at 2009-06-26 23:39
僕もこの番組をテレビで観ました。
憧れでしか無いのですが、
『自分には出来ないなぁ・・』
というのが、そのときの自分の率直な感想です・・(>_<)

>「楽しい」ばかりが感情であればいいが、「怖い」や
>「悲しい」や「淋しい」や「切ない」もまた感情なのだ。
傍で思うよりも、もっと当たり前の感情なのかも知れない
ですね。空気や光や闇のような・・子供の頃から、身近に
在ったもののような・・感情というより感覚のような・・

無性にもう一度観たくなって来ました^_^;
enzianさんの記事を読んで、今度は違う視点から観ている
ような気もします(笑)
Commented by enzian at 2009-06-27 09:31
鍵コメさん

おはようございます。
レスが遅くなりました。

再放送されることを願って詳細を言うのは控えます
(あぁしゃべりたい^^;)が、
このドキュメンタリーにはヒントがあると思います。
なにかを言葉でもって声高に叫んでいるわけではありませんが、
夫婦の行動がなにかを語っているように思います。
Commented by enzian at 2009-06-27 09:33
euさん

ぜひ観てください。
17年、それはそれは長いのです。
そのあいだに、いろいろなことが変わっていきます。

再放送されることを願っています。
Commented by enzian at 2009-06-27 09:43
907011さん

再放送されるとよいですね。
Commented by enzian at 2009-06-27 09:45
かおりさん

>「僕の村の宝物」大西暢夫/著

知りませんでした。
ぼくを刺激しそうな内容の本です。
(写真集もあるのですね。)
買って読むことにします。^^
ありがとう。
Commented by enzian at 2009-06-27 09:55
えほんうるふさん

>NHKオンデマンドで見られないかと思って調べてみたんですが、視聴可能番組として検索できませんでした。

よくわからないのですが、
これはもともとNHK制作のものでないので、
オンデマンドにならないのかもしれません。

賞をとったことで観たいと思う人も多いでしょうから、
再放送して欲しいですよね。

>怖いのに、怖いモノ見たさで見てしまうのもそうですよね。

そうですね。

>切ないもの見たさが募る時というのは、
心のエッジが鈍ってくると研ぎたくなるようなものかしら。

かもしれません。
しかしまぁあんまり鋭くすると、
自分もケガするので困ったことです。
Commented by enzian at 2009-06-27 09:58
座敷童さん

少年じゃないやい、
1歳10カ月でちゅ \(-_- ビシッ

> 結論が解っているからそこをなぞる事で、
補正しているように思います。
自分はいらないと思っているかもしれないものだからこそ、
それがなんだったかを確認しないと軸が見つからない、

おぉ童、やるな。^^
Commented by enzian at 2009-06-27 10:06
猿夫さん

>憧れでしか無いのですが、
『自分には出来ないなぁ・・』
というのが、そのときの自分の率直な感想です・・(>_<)

ぼくも同感です。
山里で育ったぼくでさえ、
憧れはしますが、
このような生き方はできそうもありません。
ですが、たしかにそういう生き方をした人がいた、
というのはなにか感じさせるものがあります。

>傍で思うよりも、もっと当たり前の感情なのかも知れない
ですね。空気や光や闇のような・・子供の頃から、身近に
在ったもののような・・感情というより感覚のような・・

猿夫さんは、感情と感覚を分けるのですね。
そこが興味深いです。^^
Commented by enzian at 2009-06-27 10:08
猿夫さん、続き

>無性にもう一度観たくなって来ました^_^;
enzianさんの記事を読んで、今度は違う視点から観ている
ような気もします(笑)

ぼくも、みなさんにコメントいただいたら、
なんとなくすごい作品のような気がしてきて、^^
どうしてもまた観たくなってきました。

ちなみに、ドキュメントのなかで、
りんどうの花が1本出てきます。
この花の印象が、まさに、ぼくが大好きな
郷里で見たリンドウの印象そのままなのです。
再放送されれば、そこも見てくださいね。^^
(要は、自分を観てください、と言っているのだろうか、
この記事は。^^;)
Commented by yuta at 2009-07-05 00:14 x
enzianさん、こんばんは。
深い谷底から見上げる星の色は,青く光ってますか?赤く光ってますか?それとも銀色かしら?
何か,大変な状況のようですが,一休みして(開き直って)谷底から見える風景を楽しむのもいいかもしれません。などと、つまらないコメントを書いてしまいました。あんまり無理しないで,でも頑張ってください。7月末まで夏休みはお預け、その後もずっと学生実習で、あんまり楽しくない夏休みはまだ、ちょっと先です。息切れしそうな日々ですが,それでも私は生きてるぞ!と(^^)/
それではまた。
Commented at 2009-07-06 01:29
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by enzian at 2009-07-06 23:58
yutaさん

こんばんは。
コメント、ありがとうございます。
深い谷底におりますが、
谷底の気分を味わう?余裕も出てきたのです。
月は碧く光っております。
ぼくは自分から谷底に落ちたのでした。
こんなことを繰り返すまい、
といま、谷底で反省しております。

yutaさんの夏休みは
夏休みと名ばかりの実習ずくめなのですよね。
毎日のお仕事もかなりタイトな感じという印象です。
お互い、体をこわさないようにがんばりましょう!^^
Commented by yuta at 2009-07-07 00:18 x
enzianさん、谷底からのお返事ありがとうございます。
碧く光っているんですね,まっすぐに月そのものを見ることができるのは、谷底にいるからこそ、ともいえるのかもしれません。と,ふと思いました。
 繰り返すまいと思いながら繰り返すのが,なんとなくenzianさんの性分のような気もするので,まあ,命に別状ない程度なら,あんまりむりせずに繰り返してもいいような???
変な言い方ですね。
 谷底で 反省という 湯につかる(ゆた拝)
なんて・・・ゴメンナサイ。 

 身体には十分に気をつけて,がんばります。

 

Commented by enzian at 2009-07-07 00:19
鍵コメ2さん

こんばんは。

コメントなしの記事どころか、
記事さえも書いていませんね。^^;

>やりとり‥‥楽しみ

ありがとうございます。
とても嬉しいです。

今週の週末ぐらいには書きますよ。
書きたいことはたくさんあるのです。^^v
もう少しお待ちくだ~~~~い。
Commented by enzian at 2009-07-07 00:30
yutaさん

>碧く光っているんですね,まっすぐに月そのものを見ることができるのは、谷底にいるからこそ、ともいえるのかもしれません。と,ふと思いました。

すばらしい発想ですね。
なるほど、と思いました。

今まで、本当に偶然なのですが、
電話で学生と話していて、
月の光がなければ寂しいよね、
太陽と月の光、どちらも見ることもできて、
幸せだよね、というようなことをしゃべってました。

>まあ,命に別状ない程度なら,あんまりむりせずに繰り返してもいいような???

お察しの通りです。
ぼくにとっては落ちることもまたとても大切なことでして。^^;

>谷底で 反省という 湯につかる(ゆた拝)

ありがとうございます。
バスクリン入れようかな。^^

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