説得

川で事故があった。少年3人のうち1人が溺れ、2人は助けようとしたが助けられず、見つけることもできずに帰宅している。少年2人はそのことを親に知らせていない。以前、川で遊んで叱られたので、また叱られることが怖かったのだという。今回事故にあったのが少年であって、かつて同じ川で遊んでいた自分でなかったことを思った。少年3人のうちの1人であって残り2人でなく、自分ではなかったことはただの偶然なのだ。

少年たちが前に叱られたのは、溺れたりするといけないから、ということだったのだろう。事故が起こってすぐに知らせたとしても少年が助かった保証はない。だとすれば、大人の言葉の大切さを知っていたがゆえに事故を知らせることができずにいた子どもを誰が責めることができるというのか。きっと誰も責めないだろうが、誰も責めないことほど少年たちを責めるものはない。どのような説得も受け容れることなく、少年たちは生きている限り自分の責任を問い続けることになるのだろう。そして、誰の説得も受け容れないことを責めることもまた誰にもできない。そういう風に人間をつくったのは少年たちではないのだから。

by enzian | 2009-09-08 23:58 | ※テレビ・新聞より | Trackback | Comments(0)

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