架線萌え

b0037269_10342459.jpg架線が好きです。正確にいうと、電柱も、電柱にくっついたような街灯も、高圧線も、高圧線の鉄塔も好きです。ひっくるめて架線一般が好きなのです。

工場萌えにはなれませんが、“架線萌え” ではあります。電車の線路の架線は大好物ですが、立春ということで致し方なくカミングアウトするなら、険しい山をわたっている高圧線と鉄塔の組み合わせなんか、よだれが出るほど好きなのです。じゅる。

秋に紀州路を訪れたのですが、電車ではなくバスで行きました。奈良交通には紀伊半島を縦断する「八木新宮線」という日本最長の路線バスの路線(大和八木→新宮、168㎞、バス停は166!)があるのですが、6時間半もかかるバスの旅を選んだいちばんの理由も、山々をわたる鉄塔やら架線をゆっくり見たかったからなのでした。紀伊半島の山深いところにも人の住むところは点々としてあって、山肌にしがみつくように集落が点在しています。そうした集落と集落、点と点とを架線がつないでいるのです。

山の木々からすれば鉄塔なんぞ立てられて迷惑な話でしょうが、ひとが入れそうにない山深い急峻にどうやってそのようなものが立てられたのだろうか、と考えていました。いまは資材をヘリで運ぶといいますが、ヘリだけで鉄塔が立てられるものではないでしょう。そのようなものを立てたひとたちのことを考えて、そのひとたちが照らしたものを思いながら、車窓から見えるさまにほれぼれしていたのでした。熱く萌えておりました。

新しくできた住宅街などでは電柱がないこと、電線が地中に埋め込まれていることが “売り” になっていたりします。これからは、少なくとも都市部ではどんどん架線は見えなくなっていくのでしょうね。理解できないことではないのですが、架線萌えには少々残念です。

by enzian | 2010-02-04 22:54 | ※その他 | Trackback | Comments(6)

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Commented by mintogreen at 2010-02-17 21:04
enzianさん、こんばんは。

>架線が好き

その良さが、最近少し解る気がします。
というのも、自分にとって今まで架線は、被写体に邪魔な存在として写っていました。(ごめんなさい。)
自然の中に溶け込まないものとして、邪魔者扱いにしていました。(またまたごめんなさい。)

上手く表現することができませんが、人類が作り出したものの恩恵をたっぷり受けながらそれを嫌う自分のエゴを最近つくづく感じています。
全てを受け入れることは無理だけど、この世にあるもの全てが調和できるのならどんなに素晴しいことだろう・・・。
enzianさんの感性で切り取ったこの夕暮れの中の架線のように、これが現実のあるべき風景なのだ。

この薄水桃色の美しい夕暮れ架線を、うっとりと拝見させて頂いております。





Commented by enzian at 2010-02-17 23:19
mintogreenさん

こんばんは。

>被写体に邪魔な存在として
 自然の中に溶け込まないものとして

同じです。
ぼくもある一定の時期までは
そういう風にしか考えませんでした。
架線がない街っていいなぁ‥‥などと。。

でも、どういうわけかわかりませんが、
年々、架線が愛おしくなってきたのです。
(気持ちわるいですね。^^;)
それはわずかながら人間が好きになってきた、
ということなのかもしれません。

>全てを受け入れることは無理だけど、
この世にあるもの全てが調和できるのなら
どんなに素晴しいことだろう・・・。

すべてを受け入れることはできませんが、
人間的なことを少しは受け入れられるように
できたら、と思います。
過度に人間的なものを排除するのも、
かえって “不自然” ですよね。

>薄水桃色の

この↑表現が好きです。
ありがとうございます。
Commented by f-as-hearts at 2010-02-23 12:01
ヾ(=^▽^=)ノこんにちは、架線の写真にひかれて参りました。 
先生のおっしゃることがとても楽しく、自分の記憶とも重なりました。私の田舎では延々と電線が続く道があり、車の中から飽きずに観ていた記憶があります。やはり風景の中に溶け込んでいたように思います。
Commented by enzian at 2010-02-23 20:33
f-as-heartsさん

こんばんは。

田舎なんかには、
田園地帯を貫く道なんかに
架線が通っていたりしますよね。
それもいい風景です。

架線は昭和の風景に溶け込んでいた
ように思います。
Commented by 座敷童 at 2010-02-28 00:53 x
架線萌えかつ、谷間集落萌えの私にはたまらない。
自分より下に村落の屋根が広がっているところ、かつ道路から架線が伸びていたら「ヌフっ」てなります。
さらに遠く高いところに行けて、山の稜線とかを一生懸命またいでいるのもいいですね。
人間の手で、意図的に貼られたはずのものが、時を経て緩んだり、よれたりして、自然の力で再構築されたようにみえるのです。
日焼けした壁板とかを見るのと似た感じです。
Commented by enzian at 2010-02-28 10:10
ザッシー

>架線萌えかつ、谷間集落萌えの私にはたまらない。
自分より下に村落の屋根が広がっているところ、かつ道路から架線が伸びていたら「ヌフっ」てなります。
さらに遠く高いところに行けて、山の稜線とかを一生懸命またいでいるのもいいですね。

さすがザッシー、押さえどころをわかっています。^^
そんなザッシーには紀伊半島縦断をおすすめします。

>人間の手で、意図的に貼られたはずのものが、時を経て緩んだり、よれたりして、自然の力で再構築されたようにみえるのです。
日焼けした壁板とかを見るのと似た感じです。

カントさんは、「自然美と一致することによって初めて芸術美は美となりうる」と考えております。

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