『だいじょうぶ だいじょうぶ』(いとうひろし)

b0037269_17432848.jpg記事を改めて同じ著者の本を紹介するのははじめてです。もう一冊は紹介するのに数年かかりましたが、この本もずいぶんかかりました。共感しつつも、自分には紹介できないと思っていたのです。

なかなか紹介に踏み切れなかったのは、この書名に抵抗を感じたからだと思います。普段でも「大丈夫」を言うことを迫られる場合がありますが、心のなかで冷や汗をたらしながら「ダ・イ・ジョウ・ブ」なんて言葉をカクカクプルプルしながら言うのがやっとで、それをひらがなで二度も繰り返すなんて、至難のわざだと思えるからです。

「大丈夫」を言うには知識と、未来を予見する力が必要でしょうが、予見する力なんか誰にもないから、どうしてもカクカクプルプルしてしまうのです。でも、そんな力がないとわかっていても、米俵三俵を担いでなんぎしているひとがいれば、「もしもしそこの方、その米俵を一俵担がせてくれまいか」などと、まんが日本昔ばなし風に思わず口走ってしまって、担いだとたん、意外な重さに腰を抜かしてしまう‥‥なんてこともひとの情なのでしょう。

「大丈夫」を言うのは、知らない未来を知っているふりをするという意味では、「あえて愚か者になること」です。そしてそのことは、本当に担げるかどうかわからない負担を共有しようとするという意味でもそうなのです。 「大丈夫」と言うことは、 “向こう見ず” を引き受けることなのだと思います。そんな向こう見ずの姿を見ることも、子どもにとっては、いや子どもに限らず私たちにとっては大切なことなのでしょう。「大切なことっていうのはね、たいてい、じわじわとしか効いてこないもんなんだよ。(ホントか)」(by enzian)。

by enzian | 2010-02-27 19:14 | ※好きな絵本(コミック) | Trackback | Comments(10)

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Commented at 2010-03-13 22:29
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Commented by enzian at 2010-03-14 22:00
鍵コメさん

こんばんは。

だいじょうぶは心を軽くしてくれますね。
とりわけ、そう言ってくれるひとが
失敗から得たものをもっているひとなら、
その言葉は重みをもってきます。

これは、だいじょうぶを言うにはずいぶんと実力とか
経験が必要だ、ということでもあります。
誰かの心が軽くなるようなおまじないの言葉を
かけられるひとになりたいと思います。^^
Commented by yuta at 2010-04-05 17:26 x
enzianさん、こんにちは。
不採択を書ける心の広さが、結構好きです。
きっと大丈夫!(何の心構えもなくダイジョウブと
書きました<(_ _)>
ちょっと思うのですが、何を言われようが結局は自分の見方で世の中を見るしかないと。もちろん人の言葉に謙虚になった上でですけど。
 いとうひろしさんの「ルラルさんの庭」が大好きです。
Commented by enzian at 2010-04-05 19:54
yutaさん

>不採択を書ける心の広さが、結構好きです。

心狭小ゆえに書かざるをえぬ、
という気もしますが。( ̄Д ̄;;

>何の心構えもなくダイジョウブと
書きました<(_ _)>

記事では偉そうなことを書いていますが、
ほとんどそんな大した決意はなく
言っています、ぼくも。

>いとうひろしさんの「ルラルさんの庭」が大好きです。

それは知りませんでした。
チェックせねば。

追記^^

土筆はいろんなところに出てますよ。
先日は学校の花壇に見つけました。
スギナって強いものですね。
Commented by yuta at 2010-04-16 19:09 x
enzianさん、こんばんは。
個研野中でいろんなものが消えていく・・・に、反応してしまいました。
私の研究室にはどうやら妖怪が住んでいるようで、授業にもっていこうと準備していたハズの教材が、片っ端から消えてしまいます。あろうことか、授業が終わりしばらくすると、何事もなかったかのように戻っています。
ふしぎ・・・です!!
Commented by enzian at 2010-04-17 12:07
yutaさん

でっ、でましたか‥‥
それはキョウザイヒョンという妖怪の仕業です。
ぼくも昨日の1時間目に教材をひょんとされて、
新たにコピーする間もなく、パニックに陥りました。

キョウザイヒョンが出て困るときは
セイリセイトンジジイを呼ぶとよいと聞きますが、
なんどジジイにメールしても、ぼくの携帯からは
繋がらないのです。^^;
Commented at 2010-04-18 02:09
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by enzian at 2010-04-18 20:17
鍵コメ2さん

こんばんは。
行けと言われれば断りますよね。
ぼくもあんな狭いところはイヤです。^^;

宇宙計画にはゴミがつきものなのでしょうが、
そういうことはあまり話題にはなりませんね。
そういうのも同時に話題にしないのは、
フェアじゃないと思います。

残念ですが、
もう人間は少しずつ、
地球に住まわせてもらえないように
なっているのかもしれませんね。
(ちょっと暗いトーンになりました。^^;)
Commented by yuta at 2010-04-18 22:11 x
enzianさん、こんばんは。
キョウザイヒョンという妖怪の仕業でしたか。不覚にもその妖怪の存在は存じ上げませんでした。合点がいきましたぁ~。個研は住みやすいでしょう。
 ところでセイリセイトンジジイには携帯電話では誰のでもつながらないのではないですか?20年ぐらい前なら、テレフォネンが電話ボックスの屋根で休んでいるのをよく見かけましたから、その公衆電話からならきっとつながったのだと思います。電話したことはありませんから確かではないですけど。妖怪も住み難い世の中になったんでしょうね。絶滅危惧種に指定されているみたいですから。ともかく明日の授業は、ヒョンされないように気をつけます!
Commented by enzian at 2010-04-18 23:14
yutaさん

こんばんは。
キョウザイヒョンはぼくの同僚の個研にも
住んでいるようです。
少なくなっていく妖怪が多いなかで、
キョウザイヒョンは各大学の個研なんかで
増えている妖怪だと聞きます。

>ところでセイリセイトンジジイには携帯電話では
誰のでもつながらないのではないですか?

そうですね。
携帯でメールしようなんていうのがまちがいでした。
テレフォネンにしてもセイリセイトンジジイにしても、
人差し指をつっこんで、ジーコジーコと回す
昔の電話で連絡すれば、駆けつけてくれそうですね。
実家にまだジーコ電話が残してあったので、
今度、持って帰ってこようかしらん。

実家の電話がプッシュフォン式に代わったとたん、
祖母が使えなくなって、
子どもたちに電話ができなくなり、
あれよあれよという間に老けてしまった
ことを思い出しました。

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