ナミのいる風景

b0037269_2394210.jpgシャチが5億円で譲渡されるという話を聞いて、はっとした。やはり和歌山の太地にあるくじら博物館が飼育しているシャチだった。

その博物館は長く行きたいと思っていて、昨年、ようやく行けたところなのだが、期待していた捕鯨史関係の資料やクジラの標本よりも、どちらかといえば、自然プール(海に仕切りをつけたもの)で飼育されていたシャチやらイルカやらその他の小型クジラが興味深かった(「イルカ」は小型の歯クジラ類の総称)。

ぼくが昨年の水族館大好き哲学者選手権の近畿地区予選でベスト4にまで残ったことはもうくりかえさないが、水族館に詳しい者はおのずとイルカショーの審美眼をも磨くことになる。そういうわけで、多くのイルカショーを見て、そんじょそこらのイルカショーぐらいなら驚かないんだからね状態になっていたのだが、くじら博物館のイルカショーの飼育員とイルカたちとのムダのないキレのよい動き、シャチの迫力には久しぶりに目を奪われた。目がハートになって困った。個人的には、これまで見たショーのなかでいちばんだった。

ショーが終わって観客が去ったあと、雨降るなか、女性の飼育員とシャチ(「ナミ」)が遊んでいた。ナミは舌を出して飼育員さんに近づいてくる。ショーのときのように餌をもらえるわけではない。舌に触れて欲しいとねだっているのだ。飼育員さんはナミの口に手を入れて笑っている。ナミも全身でうれしいと言っている。それはショーよりも好きな風景だった。

by enzian | 2010-03-11 23:17 | ※海を見に行く | Comments(0)

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