西桟橋

b0037269_21381929.jpg竹富島には西桟橋と呼ばれる桟橋がある。桟橋が突き出る砂浜にはとてつもなく走るのが速いカニがいて、行けばしばらくカニとたわむれる。桟橋のそばでは青いスズメダイやヤガラ(矢柄)が泳いでいる。ヤガラは小さな魚を食べに来ているのだ。

沖から小さな船を操って、真っ黒に日焼けしたおじいが戻ってくる。桟橋の向こうには西表島が見える。昔は毎日このような船で西表島に渡って農作をして帰ってきたという。隆起珊瑚礁でできた竹富島では十分な稲作ができなかったのだろう。

夕方になると、昼間は水牛車を引いていた水牛たちが水浴びにやってくる。さすがに水が怖くないらしく、角と目と鼻だけを出して、水中でゆらゆらしている。やがて目を閉じて眠りはじめる水牛たちを桟橋に腰掛けて見ている。水牛が帰り、若い女性がひとり。ぼくの後ろを通り過ぎて、桟橋の先端の方に行ってしまった。先端に座って本を読んでいる。そばに行ってなにか話しかけようかと思ったが、やめておいた。できれば大学生ぐらいのころにここに来てみたかった。でも来たら、ぼくはいまのぼくではなかったかもしれない。

by enzian | 2010-03-24 21:46 | ※海を見に行く | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : http://enzian.exblog.jp/tb/13043434
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。

<< 前のめり 誰だったか‥‥ >>