電車から呼ぶ声

「○○(ぼくの名前)さん」。地下鉄のホームを歩いていたら、逆方向へ行く電車から呼ぶ声が聞こえた。同じ学科ではないが、ゆえあって何年かいっしょに仕事をさせてもらっているひとだった。そのひとが笑っていた。ぼくは声をかけてもらったことが嬉しくて、帰途はいつにもましてごきげんだった。なぜそんなに嬉しかったのだろうか。

たぶん、声をかけなくても気づかれないままであったろうに、声をかけなくてもなんの不都合もなかっただろうに、あえて声をかけてくれたことが嬉しかったのだろう。きっと誰も同意してくれないだろうけど、ぼくは友情がときとして親子の情や男女の情を超える喜びを与えると考えていて、それはこうした理由によるのだろうと思っている。血縁によって、新たな血縁を生じかねないような行為によって結びついた者同士にはなにがしかの “拘束力” が発生するだろうが、友情にはそれがないからだ。

by enzian | 2010-06-07 22:48 | ※通勤途中 | Comments(0)

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