平行線

b0037269_18165459.jpgときどき卒業生が遊びにくる。卒業生に遊びに来てもらうのはとても嬉しいのだけど、卒業生のなかには自分が来るのを告げないひとがたくさん、というか、ほとんどで困ってしまう。

来るたびにメールしてと言うのだが、なかなかしてくれない。「忙しい先生の時間をとるのやイヤだから」とか、「在学生の時間をとってしまってはなんだから」ということらしい(ぼくはたいてい卒業生との面談を最優先する)。ぼくとしては、在学生のようにいつも来れられるわけでなく、たまたま来て会えなかったらイヤだから連絡して欲しいと願っているのだけど、卒業生には卒業生の優しい願いがあって、互いに相手のことを思う二つの願いは平行線をたどることになる。

なかなか垂直に混じり合わないから願いなのだと理屈をこねても、簡単に納得できるわけじゃない。上に述べたひとは会ったことのある卒業生だからまだましだが、一度も会えない卒業生だっていることだろう。切なくなる。

でもこう考えることもできるかもしれない。卒業生の願いは、ぼくに対する願いというだけではなくて、在学生のころの自分に対する願いでもあると。ぼくの時間を卒業生が割かないようにして在学生に時間を渡すことは、かつての自分に面談時間を渡していることでもあるのだ。大学で働きはじめてずっと「忙しい」ばかり言っているような気がするが、教員が「忙しい」を繰り返して学生にとってよいことなんてなにひとつないと思う。

by enzian | 2009-09-12 18:20 | ※キャンパスで | Comments(0)

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