金柑

丸ごと食べられる金柑を食べました。皮だけでなくて中身まで甘いのです。詳しく言うと、皮と中身の甘みは別の味で、どちらかと言えば、中身の甘みの方があっさりしていて親しみやすい気がしました。それにしても、外よりも中が甘い金柑となれば、それは金柑界の“コペルニクス的革命”だとぼくは思うのですが、そうですか、誰も思いませんか。

中身を捨てる必要がないのはいいですね。丸ごと食べられるのは楽ちんです。でも、なんでもかんでも甘くするのはいかがなものか。昔の金柑は皮の甘さのすぐ下には気合いの入った酸味が控えていて、甘さだけを楽しみたい子どもたちには口先での慎重な作業が必要でした。歯を入れるのがちょっと深いと酸味が舌を突き刺します。そうやって酸いと甘いを噛み分ける術を身につけたのです。甘さと酸っぱさのきわきわが楽しいのです。日頃、学生たちから「スィートさん」と呼ばれる私であっても、甘いだけじゃイヤなのです。

実家には金柑の木があって、真冬でも黄色い実がたわわになってました。祖母はよく歌っていたものです。「きんかん、かわくて、みぃやろか♪」(金柑の皮を食べて、中身をあげようか)。歌い終わるといつも祖母はぼくの方を見て、にやりと笑うのでした。

by enzian | 2011-02-28 00:07 | ※その他 | Comments(0)

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