猿沢池の巨大スッポン

b0037269_20483059.jpg奈良には猿沢池というきちゃない池がある。いつだったか、15年ぐらい前だったのかもしれない。池にきたぼくは、池の小島のようなところに巨大なスッポンがべったりと乗っかって、甲羅干ししているのにでくわした。

その大きさは半端なく、ぼくは全長70センチと目算した。池の真ん中は岸から10メートルぐらはあるのですぐ近くというわけではないが、巨大スッポンの周りにいた20センチほどのスッポンたちの大きさからして、三倍はあるとみえた。いま心を落ち着け、頭上にアイスノンを載せて、泣く泣く妥協に応じたところで、50センチは下らなかった。

ふつうスッポンの甲羅はすべすべしているが、そやつはずいぶんと年を食った年代物らしく、なんかごつごつした、ところどころ白くはげたような甲羅をしていた。が、かといってそれがスッポンでないということはなく、決してワニガメとか、外国のスッポン(その可能性はあるかな‥‥)とかそういうものではなく、たしかに日本のスッポンだった。周りにいたひとたちも、指をさしながら、「あれなんやろか、カメやろか」とかいっていた。それはカメのスケールを超えた、“池のヌシ" と呼ぶにふさわしいものだったのだ。

それは数十年は生きていると思えるものだった。その素性を明らかにしたいと思いつつ、すぐにいなくなることはないだろうとゆだんして、ぼくはそれから身辺忙しくなってしまって、ひさしぶりに2年ほど前に池にいったら、アカミミガメばかりで、もうまったくスッポンはいなかった。もちろん、巨大スッポンの姿もなかった。誰しもあのとき白黒つけておくべきだった、いまとなってはもうどうしようもない、くやじい!といった後悔の思いをいくつかもっているだろうが、ぼくのなかにあるそのうちのひとつは、この巨大スッポンのこと。

by enzian | 2011-06-24 20:58 | ※自然のなかで | Comments(0)

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