宿命

ある方が訪ねてこられたことがある。個人的事情から長年の職を退き、この年齢では定職に就くことはできず、生活が不安定でどうしようもない、力を貸してくれないか、ということであった。けっきょく、話をうかがうだけで、私はその方になにもできることがなかった。私はこの方の話をまったく他人事ではないと思いながら聞いていた。こうして、手に職をつけておこうと考えもし、一般的な資格をとろうとしていたが、心の底にあるささやかな志に説得されて、いや、忙しさにかまけて、そんな勉強をはじめることもなかった。

私には、ずっと心配していることがある。それは自分の信念にかかわることで、どれほど心配したところで改まらないのではないかと心配していることでもある。

by enzian | 2011-06-07 12:45 | ※その他 | Comments(0)

<< じゅうやく 大団円 >>