負けを認めること

NHKのBSで『あしたのジョー』特集をやっていて、夢中になって見てしまった。子どものころは毛嫌いしていたアニメなのに、どういう心境の変化なのかと思いながら、画面にかぶりついていた。もちろん、いくつになってもキライなものはキライだ。孤独、不信、暴力、嘔吐、罵声、怒号、汚れ、貧困、流血、死、そして、総じて男とはこうあるべきだというステレオタイプの “男観”‥‥。幾つになってもそういうものをすんなり受け入れることはできないけれど、なにがそんなに惹かれるのかと考えていたら、矢吹丈にしても力石徹にしても、けっこう負けることに気づいた。いつもいつも放送時間残り時間5分で大逆転勝ちを収める常勝主人公には飽きてしまう天の邪鬼なので、これは嬉しい。

でも、矢吹や力石が負けることなど、昔から知っていたはずだ。今回、惹かれたのは、矢吹や力石が負けるだけでなく、彼らがその負けを認め、同時に、ぎりぎりの努力をもってしてもかなわない相手のとてつもない強さを称えていることに気づいたからなのだ。8回戦で力石に敗れた矢吹に段平が、同時代に力石のようなボクサーがいることはわれわれにとって不幸だ、というようなことを言ったときの矢吹の答えは、かつての救いようのない荒くれ者の印象のかけらも感じさせないものだった。「ちがう。そういう立派なボクサーと闘えたことを心底幸せだと思う」。敗北は相手に対する優先権の “喪失” なわけだけど、心から負けを認めるとき、すでに敗者は勝者から少なからぬ影響を受けているのであって、多くのものを得ているのだと思う、と言えば、あまりにも当たり前か。



b0037269_23285583.jpgなんという虫か、おわかりですか?名前をご存知ない方は、おられないはずなのですが。
b0037269_23291727.jpgカタツムリをむしゃむしゃと‥‥。

by enzian | 2007-04-01 22:48 | ※テレビ・新聞より | Trackback | Comments(29)

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Commented at 2007-04-02 00:01
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yuta at 2007-04-02 00:27 x
 enzianさん,こんばんわ。わたしも見ました2時過ぎまで。ちいさな頃はあまり見たこともなかったのですけれど。相手を大切に思う,思い方っていろいろあり,その表現の仕方もいろいろあるんだなと思ってみていました。当たり前のようにみていたアニメーションが,実はものすごい努力で作られていたことも,また千葉てつやさんと梶原一騎さんがお互いを競い合うように原作漫画が作られていたことも今回初めて知りました。作品を世に出す作業も,丈と力石の関係のようで,面白かったです。でもさすがに,頭が真っ白になりそうでした。長時間のテレビ視聴は体に悪いです,と身をもって知りました。
Commented by bucmacoto at 2007-04-02 18:54
ばんざーい < 負けを認めてお手上げ ^^;
かたつむりの天敵ってマイマイカブリしか思い浮かびませんでした(;o;)
Commented at 2007-04-02 23:02
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kozou_17 at 2007-04-03 00:45
「あしたのジョー」といえば、ボクが気になるのは西です、マンモス西。少年院でジョーが来るまではボスとして君臨していたのが、少年院を出てからはジョーと一緒に段平のジムに所属。しかし勝てず。しまいには自分にも勝てずに減量中にうどんを食ってジョーに殴られる。それからボクシングをあきらめ、ジョーのことが好きだった女の子(名前忘れました)と結婚して、乾物屋の婿養子に。そして燃え尽きるところを目指してリングに上がり続けるジョーから、どんどん離れていく。子供の頃のボクは、ジョーにあこがれ、西はただ格好悪いだけだと思っていましたが、今になって西の気持ちが痛いほどわかります。そして、「あしたのジョー」を観ていた子供たちの多くがジョーにはなれず、西になっているはず。今でも西は下町の乾物屋で「最近は駅前のスーパーにやられてかないませんわ」なんて言ってるのかな。
Commented at 2007-04-03 03:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by enzian at 2007-04-03 19:54
鍵コメ1さん

>風呂上りの牛乳



(゚◇゚)~ガーン 大当たりにございます。
ぼくらがよく知っているホタルはカワニナを食べる種類が多いのですが、
これは陸生のホタルで、カタツムリを食べまする。
Commented by enzian at 2007-04-03 20:18
bucmacotoさん

>かたつむりの天敵ってマイマイカブリしか思い浮かびませんでした(;o;)

このコメントって、額面通り受け取ってもいいのでしょうか?(ーー )
マイマイカブリをご存知の方のほうが少ないような気もしますので‥‥
Commented by enzian at 2007-04-03 20:50
yutaさん、こんばんは。

>当たり前のようにみていたアニメーションが,実はものすごい努力で作られていたことも,また千葉てつやさんと梶原一騎さんがお互いを競い合うように原作漫画が作られていたことも今回初めて知りました。

今回のNHKの放送は、これまで知らなかったたくさんのことに気づかせてくれて、
勉強になりましたね。さすが、こんなのは民放にはできそうにありません。

>相手を大切に思う,思い方っていろいろあり,その表現の仕方もいろいろあるんだなと思ってみていました。

えぇぼくもそう思いました。
ちなみに、そういう不器用な表現の仕方をクローズアップしようとするのは、
梶原一騎的な価値観を反映しているのでしょうね。

>作品を世に出す作業も,丈と力石の関係のようで,面白かったです。

なるほど!

>でもさすがに,頭が真っ白になりそうでした。長時間のテレビ視聴は体に悪いです,と身をもって知りました。

これは、最終回の丈の様子とかけてますか?
お見事です。^^
Commented by enzian at 2007-04-03 20:52
鍵コメ2さま

a・ta・ri☆
オオシママドボタルの幼虫です。
ぼくの近所には居ませんので、八重山諸島の小浜島で撮りました。
道ばたにたくさん居ましたよ。

>カタツムリ

そのエピソード、感動しました。

子どもはぼくらの予測を超えてものを知っていることがあるのですね。
ぼくであれば、なまじっかそういう方面のことを知っている自信があるものですから、
不用意に×をつけてしまったかもしれません。
コンクリートを食べるなんて、まったく知りませんでした。

鍵コメさんの慎重さはすごいと思います。
いい先生だなぁ。

>知らないことがまだまだ多くあると気付かされ反省しました

まったく同感。
人を評価するって、とてもむずかしいことなんですね。
Commented by bucmacoto at 2007-04-03 20:54
> このコメントって、額面通り受け取ってもいいのでしょうか?(ーー )

他にどのような受け取り方が?
小学校時代に学研の科学だったか漫画雑誌で、アフリカマイマイの天敵として導入された話が紹介されていたのです。 印象深かったので同世代人なら憶えている人も多いかと。

日本最大の真冬に光り飛ぶホタルですかぁ。 いいですね,見てみたい。
Commented by enzian at 2007-04-03 21:57
bucmacotoさん

>他にどのような受け取り方が?

たしかに‥‥失礼をしました。(^^ヾ

>小学校時代に学研の科学だったか漫画雑誌で、アフリカマイマイの天敵として導入された話が紹介されていたのです。 印象深かったので同世代人なら憶えている人も多いかと。

そうでしたか。
マイマイカブリという名称を知っている人はあまりおられないかな
と思っていたもので。

>日本最大の真冬に光り飛ぶホタルですかぁ。 いいですね,見てみたい。

これが群れ飛び光るときは、空には満天の星、地上にも無数の星‥‥
それはそれは幻想的です。(ちなみに、この幼虫も光ります。)
Commented by enzian at 2007-04-03 22:07
鍵コメ3さん

しぇいかい!ただし、撮影地は小浜島なり。
Commented by enzian at 2007-04-03 22:09
kozou_17さん

さすが、kozou_17さん。
なるほど~そう言われれば、西の生き方もおもしろい。
そして、そのおもしろさというのは、ぼくらが現実に採ることのできる
生き方に近いんですよね。
ぼくたちにあまりに近すぎるから、
西には、丈や力石ほどの脚光は当たらないのかもしれません。

それにしても、名作とされるアニメは、
そういう脇役の描き方もまた丁寧なんですよね。

それにしても、勝ち負けって、むずかしい。
Commented by bucmacoto at 2007-04-03 22:09
以前にもどこかで書いたのですが、白神山地の麓で(点滅するほうですけど)ホタルの群れに囲まれたことがあります。
あれは、無数の星が降り注ぐ中にいるような錯覚になりました。
賢治が銀河鉄道の夜を描いたのは、そんな体験の中からかと思うほど。

  ・・・ 野ションのために沢へ下った時のことだったのは内緒です (笑)
Commented by enzian at 2007-04-03 22:30
bucmacotoさん

>以前にもどこかで書いたのですが、白神山地の麓で(点滅するほうですけど)ホタルの群れに囲まれたことがあります。

白神山地ですか、行ったことはありませんが、
その名前だけで、山フェチはヨダレが出ます。

>あれは、無数の星が降り注ぐ中にいるような錯覚になりました。
賢治が銀河鉄道の夜を描いたのは、そんな体験の中からかと思うほど。

(゜Д゜)!!ぼくもさっきのレスで、
銀河鉄道の夜の世界です‥‥と書こうとしたのです。

>・・・ 野ションのために沢へ下った時のことだったのは内緒です (笑)

そういうもんですね。
美しいものには、期せずして出会う、という‥‥^^
Commented by kaori_yoshihara at 2007-04-03 22:49
野ションに思わず笑う・・・((( ̄* ̄)))

虫は見たけど分からなかったのです。岩手では見たことがありません。
以前、つぶれたカタツムリにほかのカタツムリが寄ってきているのを見つけて、「お葬式かしらん・・・えー、まっさかー」と思ったことがあります。食べていた、ということはありますか?(--;)
Commented by enzian at 2007-04-03 23:07
かおりさん

そちらにはホタルはいますか?
いたら、また教えてください。

>以前、つぶれたカタツムリにほかのカタツムリが寄ってきているのを見つけて、「お葬式かしらん・・・えー、まっさかー」と思ったことがあります。食べていた、ということはありますか?(--;)

むずかしい質問ですね。
カタツムリには他のカタツムリを食べる肉食のもの(ベッコウマイマイとか)が
いるのですが、それは岩手にはいないように思います。
(まちがえていたら、詳しい方、教えてください。)

上で鍵コメ2さんが、カタツムリがコンクリートを食べるという話
を書いてくれているのですが、
ひょっとすると、なにかの栄養分をとるために
死骸に集まってきていたのかもしれません。
お葬式という発想はいいね。^^
Commented by kaori_yoshihara at 2007-04-04 01:41
>そちらにはホタルはいますか?

いることはいるらしいのですが、実際目にしたことはありません。
生息地も数も減り続けているようです。
遠野にいると聞いたことがあるけれど(ここにはカッパもいるらしいです)、
webで検索してみたら、農薬で死滅してしまったと書いている記事がありました。
保護されていないのかな・・・。
私の実家があるところも、田舎とはいえ農業が盛んなためにほとんどの川に
護岸工事がされています。蛍だけでなく川に住む虫が繁殖できるような場所が
ないのではないかなと思います。祖母の世代の人たちは「農薬を使わない」とい
う発想もあまりないみたいだし。
けれどそれも高齢化と跡継ぎ不足で農業をやる人が少なくなり、生き残っていた
虫達は戻ってくるかも( ̄_ ̄;)。。。

>カタツムリ

密かに「カタツムリ道」と呼んでいた道があったのです。
空き地のすぐ横で、雨の日になると、ちっこいカタツムリがうじゃうじゃ出てくるという。
無意識に歩けば必ず何体かは踏んでしまいます。

カタツムリ、昔は全然平気だったのですけど、今は苦手なのです。ちょびっと。
なぜならば・・・
Commented by kaori_yoshihara at 2007-04-04 01:43
(つづきです)

1=昔飼っていたカタツムリを腕に乗せたらなんとなくムズムズしてきて、
   その感触がなんともいえず気持ち悪かった。
   Σ( ゜□゜|||)食われてる!? と思ったらしいです。

2=自然観察番組を見ていたら、ジャングルの中にすんでいるカタツムリが
   出てきました。その場所にはカタツムリに寄生する縞々のいもむしがいて、
   カタツムリに寄生すると殺さずに食べながら内部にもぐりこみます。
   そして体内でうにょうにょと動き回って目立ち、鳥に発見・捕食させて
   排泄物に紛れ込むことで移動し生息範囲を広げる・・・
   というのを映像で見てしまったから。特にうにょうにょしているところを・・・。
   (寄生されてるカタツムリの心境になってしまったらしい。)
Commented by kaori_yoshihara at 2007-04-04 01:43
(つ・・・つづきです。(><)3つになってしまった)

けれど今回、「質問してるばかりではいかん!自助努力をせねば」と思って
勇気を出して検索してみました。
専門的なサイトには共食いのことはあまり詳しく触れられてはいなかったのですが、
学校や自宅でカタツムリを飼育した人の記事には小さい個体にのしかかっていたとか、
殻を削っていた等の記述がありました。結局よく分からず。。。
(フゥ・・・疲労)

けれど「カタツムリ道」があった空き地もアスファルトで固められて今では
しまむら系の安価衣料品店が建っています。カタツムリも出なくなりました。
雨の日も気楽に歩けるので嬉しいけれど、住む場所がなくなったのは気の毒・・・。
Commented by hiruu at 2007-04-04 18:00
あしたのジョーといえばあの歌と ‘おっさん’ が好きでした。
段平さんとおっしゃるのですね。いまはじめて知りました。
Commented by 座敷童 at 2007-04-05 00:40 x
私の「上の人」は自室にジョーの1/1フィギュアが2体あって、
「普通のジョー」と「真っ白なジョー」だそうです。

プロボクサーの名城信男と田中聖二を思い起こします。
Commented by 毒きのこ at 2007-04-05 23:17 x
>負けを認め、同時に、ぎりぎりの努力をもってしてもかなわない相手のとてつもない強さを称えていることに気づいたからなのだ。
やっぱほんとーに
負けを認めきるには
相手を称えるレベルまで
いかないと
いけないのかもね〜
それが出来たジョーは
強いなぁ〜偉いじょ〜

決定的に敗北を
認めなくちゃならない時
いつも米一粒分は
悔しさと歯ぎしりで
だめですね〜
出来ません・・・(−_−#)
器が小さいわ〜(自分。)

ところで、
八重山のお土産ばなしくらはい♪o(^-^o)(o^-^)o
Commented by enzian at 2007-04-06 20:15
かおりさん

アップされている写真を見て、ホタルがたくさんいるような環境なのかな~
と勝手なことを考えていました。

農薬はもちろんムシによくないし、
護岸工事をしてしまうとカワニナ(エサになる巻き貝です)がいなくなるので、
ホタルは住みにくくなるでしょうね。

カタツムリが苦手になった理由の話、おもしろかったですよ。
> Σ( ゜□゜|||)食われてる!? 

これが特によかった。
感覚が豊かさを感じました。

ジャングルのカタツムリの話は、
ぼくもテレビで見たことがあるような気がします。
Commented by enzian at 2007-04-06 20:19
かおりさん、続き

>殻を削っていた等の記述がありました

これはおもしろいですね。
もしそうだとしたら、他のカタツムリの殻からミネラル分を
採ることがあるのかもしれないですね。

>かたつむり道

小さなころにはあったものが、
少しずつなくなってかたちを変えてゆくさまを見るのは、
さびしいものですね。
Commented by enzian at 2007-04-06 20:32
ひるさん

丹下段平といいます。

それと、蛇足なのですが、
丈は「おっさん」を「おっつぁん」と発音しています。
丈の声を担当したあおい輝彦が最初の吹き込みのときに
「おっさん」を「おっつぁん」と発音してしまったのですが、
それの方がいい、ということで、その後の台本は書き換えられた、らしいです。
Commented by enzian at 2007-04-06 20:36
座敷童さん

>私の「上の人」は自室にジョーの1/1フィギュアが2体あって、
「普通のジョー」と「真っ白なジョー」だそうです。

夜半にどたばた暴れたりしない?^^

>プロボクサーの名城信男と田中聖二を思い起こします。

知らなかったので、思わず調べました。
なるほど、そういう話があったのか‥‥
Commented by enzian at 2007-04-06 20:41
毒きのこさま

>やっぱほんとーに
負けを認めきるには
相手を称えるレベルまで
いかないと
いけないのかもね〜
それが出来たジョーは
強いなぁ〜偉いじょ〜



>決定的に敗北を
認めなくちゃならない時
いつも米一粒分は
悔しさと歯ぎしりで
だめですね〜
出来ません・・・(−_−#)
器が小さいわ〜(自分。)

同じ、ぼくも同じだじょ~
・_・)/\(・_・)器小さいナカマ!

>ところで、
八重山のお土産ばなしくらはい♪o(^-^o)(o^-^)o

よ~くかみ砕いて、消化してからね。^^

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