趣味

「給料はいくらなんですか?」と聞かれることが多い。もう、やたらと聞かれる。数年前であれば、辟易(へきえき)してしまって、「そんなこと聞いてどうするの?」とやや強めに問い返して、問いの無意味さに気づいてもらおうとしただろう。無意味さ、とは、そんなことを知っても、あなたたちの試験の点数がよくなるわけでも、よい論文が書けるわけでもない、ということだ。

でも、そういう効率優先の考え方がとてもばかばかしく思えてきた。学生たちにしても、それを目的にして聞こうとしているわけではないだろうからだ。聞いたところで成績がよくなるわけではないことはよくわかっている、それでも聞いてみたいから学生は聞くのである。

学生には、人生設計を考えはじめて、職業への意識が芽生えてきたということもあるだろう。「センセイはなぜキョウジュをしているのですか?」「趣味だから」。なかには、自分を教えるに値するブランドかどうかを値踏みして、品定めしようとする者もいる。

給料でぼくを値踏みする者は、ぼくの答えによって、教えられている自分の価値を確かめることにもなるのだろう。「生活ができて、あなたたちにお菓子やお茶を出せるぐらいの給料はもらっているよ。給料を目的にして働いたことなんてない、けどね」。

by enzian | 2008-05-10 11:59 | ※キャンパスで | Trackback | Comments(0)

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