警戒

エレベーターに女性と乗り合わせて、微妙な雰囲気から警戒されていることに気づく。こんなことはよくあることだから、いつものように、できるだけ驚かさないように、急に変な声を出さないように、急に変な身のこなしをしないように、息を殺して、身動きを止めるようにして、こちらも配慮している。配慮とかエチケットと言えば聞こえはよいが、こちらも犯罪者と思われてはかなわんということで、要は、どちらも警戒しているわけである。

ただ、四六時中、女性と二人でエレベーターに乗り合わせるわけではないのだから、こんなことはなんでもないが、基本的に人間を信用していない人であれば、その負担はいかばかりかと思う。人間だらけの世の中で警戒を解くひまなどないだろうからだ。

人間を信用しない、というほどではないが、ここ数年、小学生ぐらいの少女の警戒心が年々強くなっていることにしばしば気づかされる。もちろんそこには、ぼくの加齢に伴う “怪しいおっさん化” ということもあるのだろうけど。

ランドセルを背負った彼女たちの警戒心は驚くべきもので、電車に乗り込むまでに一度でもおっさん(ぼくのことですな)と目が合えば、十中八九、それまで乗ろうとしていた車両を変える。変え方も手が込んでいて、追跡をかわすためなのだろう、車両に乗り込む寸前まではなにごともない振りをして、乗る直前に、さっと両を変える。ぼくはおっさんをやめることはできない。少女がおっさんを警戒するのも無理からぬことだ。だから、ぼくはせめて、彼女らが気をつかわないですませられるようにと、早い目に、自分から乗り込む場所を変えてあげる。

by enzian | 2008-06-15 22:52 | ※通勤途中 | Trackback | Comments(0)

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