打ち直す

b0037269_956034.jpg長く使ってきた毛布にさよならをすることにした。ずいぶん前から破れていたりしていたのだけど、祖母が買ってくれたものだからと、使い続けてきたのだ。ひょっとしたら、もう20年ぐらい使っていたのかもしれない。

お別れの前に、あれこれ考えながらじっと見つめていたら、けっこうな量のカシミアが使ってあることに気づいた。どうりで暖かかったはずだ。いままで何年も使っていて、こんな簡単なことにも気づかなかったのだな。でも、最後の最後に気づけてよかった。

冬布団も処分することにした。これは毛布以上のベテランで、いつから使っているのかさえわからない。記憶にある限り、冬の夜であれば、ぼくはこの布団とともに過ごしている。暖かい冬の日、祖母が庭に敷いたゴザの上に布団を置いて、針仕事をしていたことを思い出した。

どうにも忍びない気分で布団屋に相談したら、良い綿がたくさん使ってあって、捨てるのはもったいない、打ち直してみてはどうかという。そうか、“打ち直す” という手があったのか。古い布団はふかふかに打ち直されて、新しい衣装を着せられて戻ってきた。これからも、よろしく。

by enzian | 2008-08-02 12:27 | ※その他 | Trackback | Comments(14)

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Commented by 毒きのこ at 2008-08-02 13:57 x
おばぁちゃんにとっては、打ち直しながらも長く使える布団をあつらえることは当たり前だったかもしれませんが、同時に孫が健康で暮らすことを思うのも、わざわざ願うまでもなく当たり前のこととしているのが、一言では言い尽くせない、あたたかさ深さを感じました。

いいお話しですね^^
ありがとうございます
Commented by bucmacoto at 2008-08-02 16:32
我家でも打ち直した布団を使っています。

> 良い綿がたくさん使ってあって、捨てるのはもったいない

このせりふが、同じなのに微笑みました ^^

温故知新~打ち直し~古い酒を新しい革袋に入れる

リサイクルされた循環の品にこそ、価値が宿る感覚ってのは一般的なのか少数派の証なのか、興味があるところです。
Commented by gauche3 at 2008-08-02 17:32
大切な人から戴いたものは、どうにも捨てられないときがありますよね・・・
考えてみれば、布団は女房や恋人以上に、長いあいだ僕らに
寄り添っていてくれたんですもんね・・・文句も言わずに・・・あれっ?(笑)

> 新しい衣装を着せられて戻ってきた。
> これからも、よろしく。
いいですね。
また、一緒の時間を過ごせますね^^
Commented by enzian at 2008-08-02 18:07
毒きのこさん

>おばぁちゃんにとっては、打ち直しながらも長く使える布団をあつらえることは当たり前だったかもしれませんが、同時に孫が健康で暮らすことを思うのも、わざわざ願うまでもなく当たり前のこととしているのが、一言では言い尽くせない、あたたかさ深さを感じました。

ぼくは、↑この毒きのこさんのコメントに動かされました。
ありがとうございます。(^0^)/
Commented by enzian at 2008-08-02 18:14
bucmacotoさん

リサイクルというのは二種類あるのではないでしょうか。
他に大切なものがあるから、それ自体はさして大切でないものでも
大切なものを守るためにリサイクルしないといけない、というような場合と、
それ自体が主観的に大切だからリサイクルせざるをえない、という場合と。

ペットボトルを未来環境のためにリサイクルするのは前者で、
この記事の布団は、ぼくにとっては後者ですね。
Commented by enzian at 2008-08-02 18:21
猿夫さん

>考えてみれば、布団は女房や恋人以上に、長いあいだ僕らに
寄り添っていてくれたんですもんね・・・文句も言わずに・・・あれっ?(笑)

そうなんですよ。あれっ?(^^ヾ

>いいですね。
また、一緒の時間を過ごせますね^^

そうなんですよ。
また新婚気分なんですよ。あれっ?(^^ヾ
Commented by madeline0527 at 2008-08-03 06:57
enzianさん、すてきな話をありがとうございます。
日本は、いつから『使い捨て文化』が浸透してきたのでしょう?!
その昔…“買った方が、安いから捨てちゃう!”という言葉を聞くたびに
“まだ命あるものを、捨ててしまうのか…” と心を痛めておりました。

が!いつしか電気屋さんの作戦に麻痺してきたのか“買い換えた方が面倒くさくなくていいわ”と思う自分に大変身していたのですね… ^^;

『打ち直し』のお話は、そんな私に“喝”を一発入れてもらえたような一言でした。
Commented by enzian at 2008-08-03 18:30
まどさん

>買った方が、安いから捨てちゃう!

本当ですね。
この言葉を最初に聞いたときはとても抵抗がありましたが、
いまで麻痺してしまって、慣れっこになってきました。

電気屋さんに行けば、毎度毎度、聞かされる言葉ですが、
今回、布団屋さんで打ち直しという言葉を聞いて、
ぼくも、いろいろなことを考えるきっかけになりました。
Commented at 2008-08-03 22:41
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by enzian at 2008-08-04 22:19
鍵コメさん

どうも~おほめにあずかりまして。(^^ヾ

気づいているのだけど、知らないうちに大きな流れに乗っかかってしまう‥‥
ありがちなことですね。
大きな流れに反対だ!と明確に言うことはむずかしいかもしれませんが、
せめて、立ち止まって考えることができれば、と思います。
Commented at 2010-06-29 00:55
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by enzian at 2010-07-03 15:59
鍵コメさん

着なくなった服をほどいて、また縫い直す。
そういうことが、昔は、どの家庭でも行われていたのでしょうね。
布というのがいまよりも大切な時代であったのでしょう。
というか、布がそれほど大切でもなくなってきたのは、
つい最近の話なのかもしれない、と思ったりします。
昔は布をぎったんばっこん織ったのですからね。

ぼくが好きな布に、芭蕉布という布があります。
芭蕉(バナナの類の樹です)から手間暇かけて作られたもので、
とても高くて買えないのですが、
一度身につけてみたいと思う布です。

肌布団、お持ち帰りになってよかったですね。
大切に使ってください。

最後にお書きいただいたことについては、
そちらに書きます。^^
Commented by coeurdefleur at 2011-10-02 10:53
寒いとぐっすり眠れませんものね。
寒い夜を暖かに過ごせるように。
風邪をひかないように。
昼間の疲れをすっきりと落とせるように。
家族ならではのさりげない思いやり。
今年も寒くなってきました。
ご自愛ください^^
Commented by enzian at 2011-10-02 11:20
柊さん

基本的な生活攻防戦ラインを
知らず知らず守ってくれているのが家族なのでしょうね。

それにしても急に寒くなってきました。
柊さんこそ、ご自愛を。
ご自愛合戦。^^

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