私が出会ったキノコたち(3)

その3



b0037269_20265733.jpgスエヒロタケ(末広茸、スエヒロタケ科スエヒロタケ属)
ごく普通に、年中見られる木材腐朽菌。縁起のよい和名の由来は、笠が放射状にひろがっていることが理由だろうが、それならこのキノコに限ったことではない。縁起のよい名称とは裏腹に、胞子が人体に悪影響を与え、寄生した胞子が人体で子実体(つまりキノコ本体)を作ったという記録がある、恐るべきキノコ。あまり近寄りたくない。


b0037269_20271191.jpgスギヒラタケ(杉平茸、キシメジ科スギヒラタケ属)
杉を中心とする針葉樹の切り株などに群生する木材腐朽菌。くせのない味で、好んで食用にされる。ここでも木材(杉)の下方にうっすら写っているように、特定の苔と特殊な共生関係にある種類で、人工栽培は難しいとされる。

現在、急性脳症発症との因果性が疑われているキノコ。古くから食用にされてきたが、おそらく知られないままに微量の有害物質が含まれていたのだろう。相次ぐ台風の上陸で今年はキノコの当たり年となったが、これが内臓疾患などで解毒機能の低下した人には過剰摂取につながったと考えられる。


b0037269_20272891.jpgタマキクラゲ(玉木耳、ヒメキクラゲ科ヒメキクラゲ属)
この個体はやや崩れているが、幼菌のうちは玉(扁球)状のものが多い。肉質は柔らかくゼラチン状。可食、蕨餅のような食感。
b0037269_20273963.jpgチヂレタケ(縮茸、コウヤクタケ科チヂレタケ属)


b0037269_2028273.jpgチョウジチチタケ(丁子乳茸、ベニタケ科チチタケ属)
傘には環状紋がある。クローブ(丁子)のような匂いがする。カレー粉のような匂いのあるニオイワチチタケと外見上は酷似する。

b0037269_2028185.jpgチャウロコタケ(茶鱗茸、ウロコタケ科キウロコタケ属)
枯れた広葉樹に群生する。有毛の灰白色部分と赤褐色部分が交互に重なって環紋を成す。白色腐朽菌。
b0037269_20283757.jpgツチグリ(土栗、ツチグリ科ツチグリ属)
幼菌は扁球状で、半地下生。成熟すると地表に現れ、ちょうど皮を剥いたミカンのような形態に外皮を列開する。ひび割れ、白銀色の網目模様となった外皮は外気の乾湿にしたがって開閉を繰り返し、頂孔からは胞子を飛散する。この個体はかなりの老菌で、すでに網目模様は消失している。外皮の開く前の土中の幼菌を好んで食す地方があり、煎るとクリのような味がするという。


b0037269_20285597.jpgツノマタタケ(角又茸、アカキクラゲ科、ニカワホウキタケ科)
b0037269_20293652.jpgテングタケ(天狗茸、テングタケ科テングタケ属)
日本では長くイボテングタケとテングタケが混同されてきた。比較的古い書物では、テングタケとしてイボテングタケの写真が貼られているのが普通である。ただし、『見つけて楽しむきのこワンダーランド』(2004年)86頁では、なぜかイボテングタケとしてテングタケの写真が貼られている。幼菌。


b0037269_20294728.jpgテングツルタケ(天狗鶴茸、テングタケ科テングタケ属)
傘の表目には黒褐色のいぼが散在する。つばはない。毒菌。

b0037269_2030739.jpgドクツルタケ(毒鶴茸、テングタケ科テングタケ属)学名“Amanita virosa”は「毒キノコ」を意味する。まさしく、これぞ毒キノコのなかの毒キノコ。英語名は“Destroying Angel”、つまり「破壊の天使」。中毒の苦しみは尋常ではないという。絶対に食してはならない。
b0037269_20301641.jpgドクベニタケ(毒紅茸、ベニタケ科ベニタケ属)
学名“Russula emetica”は「吐き気をもよおす赤」を意味する。生食すると消化器系の中毒を起こすが、それほど強い毒ではなく、細かく切って水でさらせば食べられる程度のものらしい(ヨーロッパで発生するものは、猛毒であるとされている)。むしろ、その強烈な辛味が、和名にある毒の印象を与えたのだとされる。

b0037269_2030444.jpgトフンタケ(兎糞茸、モエギタケ科シビレタケ属)
しばしば兎糞に生えるのでこの名称があるが、馬や牛などの糞にも発生する。
b0037269_20311435.jpgニオイアシナガタケ(臭足長茸、キシメジ科クヌギタケ属)
和名の由来は見ての通り。夏から初冬にかけてのキノコ。広葉樹の落ち葉の上に生える。数本散生しているのをよく見るが、この個体は一本だけポツンと生えていた。特殊な臭い(ヨードホルムに似ていると言われる)がある。類似するアシナガタケにはこの臭いがなく、柄に条線がある。
b0037269_20313688.jpgニオイワチチタケ(匂輪乳茸、ベニタケ科チチタケ属)
傘には環状紋がある。カレー粉のような匂いがする。丁子(クローブ)のような匂いのあるチョウジチチタケと外見上は酷似する。

b0037269_2032275.jpgニガクリタケ(苦栗茸、モエギタケ科クリタケ属)
クリタケと酷似する毒菌。かなり強い毒性をもち、死亡事故の記録もある。和名の通り、苦味が強く、しばしばレモン色を帯びる。
b0037269_20321690.jpgヌメリイグチ(滑り猪口、イグチ科ヌメリイグチ属)
学名は“Suilus luteus”、「黄色いブタ」を意味する。和名の「猪口」同様、なぜそうなのか今ひとつわからない。こんな小さなブタはいないはずだし。夏から秋にかけて、松(特に若い松)のそばに発生する。ときには庭木や盆栽の松にさえ発生する。古くから食菌とされてきたが、体質によっては胃腸系の軽い食中毒を起こすことも知られている。傘の表皮に弱い毒性があるともされるが、確証はない。

by enzian | 2005-12-02 23:22 | ※自然のなかで | Trackback | Comments(0)

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