私が出会ったキノコたち(4)

その4



b0037269_20542669.jpgノウタケ(脳茸、ホコリタケ科ノウタケ属)
幼菌のうちは、外皮に独特の模様のある膨れた餅のような形をしており、これが和名の由来となる。英語名も“Brain Fungus”。成熟すると外皮は破れ、内部から粉状の胞子を飛散する。
b0037269_20544653.jpgハタケキノコ(畑茸、オキナタケ科フミヅキタケ属)
幼菌は黄土色。成熟後は暗褐色になる。根元には白色の菌糸束をつける。春から秋にかけて畑や道端にしばしば発生するが、目に留める人はいない。ありふれた和名はそのゆえか。食毒不明。誰も確かめないらしい。

b0037269_2055479.jpgハタケシメジ(畑占地、キシメジ科シメジ属)
公園に植樹されたドウダンツツジの根元に生えていた幼菌。優秀な食菌で、特にこれぐらいのものは歯ごたえもよく、きわめて美味。最近、栽培ものが出回るようになって、発見時のありがたみが薄れてきた。野生ものと栽培ものに食味の差はほとんどないように思う。

その後、このシロには翌年の春にも大発生し、3キロまでは収穫したが、その後も一雨ごとに次々発生し、ついには飽きて放置した。その際、栽培ものと比較した結果、やはり野生ものの方が歯切れという点で勝ると感じたので、前言を撤回する。アメリカでは、食感が似ていることから、“Fried Chicken Mushroom”と呼ばれる。
b0037269_20551557.jpgハチノスタケ(蜂の巣茸、タコウキン科タマチョレイタケ属)
「蜂の巣」のような大形の管孔が特徴。木材に白色ぐされを起こす木材腐朽菌。この個体はタイサンボクに生えていたもの。希に見る立派なタイサンボクだが、間もなく枯れることだろう。
b0037269_20553362.jpgハツタケ(初茸、ベニタケ科チチタケ属)
和名は、キノコシーズンの最初に発生するキノコの意味から。チチタケ科特有の乳液は暗赤色、やがて青緑色に変色する。ベニタケ科独特のぼそぼそした肉質だが、よい出汁が出ることから、古くから食菌として親しまれてきた名菌の一つ。
b0037269_20554413.jpgヒトヨタケ(一夜茸、ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属)
自ら消化酵素を出して溶けてしまい、それによって胞子を拡散させるという変わった戦略をとる菌。したがって、「一夜」で溶けてしまうが、傘の開き切らない、アメリカのオバケのような幼菌は可食。ただし、アルコール(アセトアルデヒド)分解酵素の働きを阻害するコプリンを含み、アルコールとともに食すことはできない。食べれば、ひどい二日酔いとなる。これを利用して、アルコール中毒の治療に使用する国があるという。かなり過酷な二日酔いになるそうなので、どうしても酒が止められない人は、お試しあれ。

b0037269_2056434.jpgヒナノヒガサ(雛の日傘、キシメジ科ヒナノガサ属)
春から秋にかけてコケ類の間に発生する超小型のキノコ。「雛の日傘」とは、言い得て妙。
b0037269_20562257.jpgヒメカタショウロ(姫堅松露、ニセショウロ科ニセショウロ属)公園の植え込みの根元に生えていたもの。成熟すると頂部が裂開して胞子を発散する。ニセショウロ科であることから有毒。
b0037269_20563222.jpgヒメカバイロタケ(姫樺色茸、キシメジ科ヒメカバイロタケ属)
b0037269_20564696.jpgヒメキクラゲ(姫木耳、ヒメキクラゲ科ヒメキクラゲ属)
幼菌はややしわの寄った小さな扁球状だが、成長するとそれぞれが癒着して、見るも無残なタール状になる。肉質はやわらかく、ゼラチン状。可食。

b0037269_2057199.jpgヒロハノキカイガラタケ(広葉黄貝殻茸、タコウキン科キカイガラタケ属)
類似種のキカイガラタケはやや北方系で、中部以西では山岳地帯に見られるとされる。ただし、両者の区別はあまり明確でないようで、まったく同一の個体が今関六也他編『山渓カラー名鑑 日本のきのこ』(1988年)の469頁ではキカイガラタケとされ、本郷次雄監修、幼菌の会編『カラー版 きのこ図鑑』(2001年)の241頁ではヒロハノキカイガラタケと同定されている。
b0037269_20571925.jpgベニイグチ(紅猪口、オニイグチ科ベニイグチ属)その名の通り、鮮やかな紅色をしている。柄に彫りの深い網目がある。
b0037269_20573626.jpgベニタケ科の個体(ベニタケ科チチタケ属)
今年(2004年)初めて発見したベニタケ科の個体。文献には相当するものがなく、同定できない。わずかな異臭があるのでクサハツの近縁種かとも思ったが、クサハツとは異なり味は無味。乳液を分泌することから、むしろチチタケ属の一種と考えられる。しかし、その他のチチタケ属の個体とは異なり、乳液にも辛味はなく、無味。放置してもいつまでも変色しない。傘の表面に小さな斑紋がある。

b0037269_2103449.jpgベニヤマタケ(紅山茸、ヌメリガサ科アカヤマタケ属)

b0037269_2104829.jpgホコリタケ?(埃茸、ホコリタケ科ホコリタケ属)
ホコリタケ科の個体。頭部には胞子がギッシリ詰まっている。わずかに突出した頭頂部分には間もなく孔が開き、火山のように「ホコリ(胞子)」を噴き出す。幼菌は可食とされるが、試したことはない。

b0037269_211875.jpgムジナタケ(貉茸、ヒトヨタケ科ナヨタケ属)
和名の由来は、傘などの表皮が、狸の毛皮っぽいビロード状の繊維状鱗片と繊維毛に覆われていることに由来する。道端など、ごく普通に見られるが、見てくれが悪いこともあって、誰も見向きもしない。食菌だが、ほとんど利用されない。

b0037269_2112613.jpgムラサキシメジ(紫占地、キシメジ科ムラサキシメジ属)
他のキノコが盛りを過ぎた晩秋の落ち葉に発生する紫色のとても美しいキノコ。発見した瞬間はいつも息が止まる。代表的な食菌の一つだが、落葉分解菌であり、土臭いものも多い。あるとき、これを鍋に入れて食べたら、鍋全体が落ち葉臭い「落ち葉鍋」になった。匂いが気になる場合は、調理方法に工夫が必要。このキノコに限ったことではないが、生食は消化器系の中毒を起こす。

b0037269_2114949.jpg番外編1。ナメコ(滑子、モエギタケ科スギタケ属)
近頃、自宅で栽培を始めたもの。主にブナ林で発生することから、近所で野生のものを発見したことはない。もうすぐ味噌汁の具になるのだ。ケケケ。

b0037269_2121070.jpg番外編2。ヒラタケ(平茸、ヒラタケ科ヒラタケ属)
近頃、自宅で栽培を始めたもの。野生のものは、結構どこでも発生する。以前、栽培ものは、「しめじ」という名称で売られていた。英語名は、重なり合う姿が牡蠣に似ているということで(もう少し傘が開かないとその感じはわからない)、“Oyster Mushroom”。こいつはもうすぐ天ぷらの種になるのだ。ケケケ。

by enzian | 2005-12-02 23:51 | ※自然のなかで | Trackback | Comments(0)

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