※キャンパスで

善知識

人間関係で判断に困ったとき、「あのひとであればどう判断するだろうか?」と、許可も得ていないのにかってに登場いただく、〈脳内の常連〉とおぼしきひとたちがいる。そのひとりはカントで、ひとりは祖母。そ...

2011年 12月 24日

※キャンパスで

柿を食うということ。

個研でくるりくるりと柿を剥いていたら、コンコンとノックの音がして、入ってきた学生がこう言いよりました。「ギャー、センセイが柿をむいている!」と、そしてそれだけ言って、バタバタとどこぞへ走って行き...

2011年 12月 02日

※キャンパスで

週一の拷問

やりにくくてしかたない授業がひとつある。おかしい、おかしいと思ってはいたが、なぜなのか理由がわからず、ごまかしながら続けていた。ごまかしていたつもりだが、書き落としをしたりして、やはりミスが出て...

2011年 11月 26日

※好きな人・嫌いな人

ウソは最低の防御なり。

誰しもそうだろうが、ウソが好きではない。自分はきわめて腹黒い人間だから、ウソで厚化粧して生活しているが、他人につかれるのは楽しくない。 ウソそのものがキライというより、ウソをついてバレない...

2011年 11月 22日

※その他

紐帯

新幹線のホームでは多くのひとが電車を待っていた。なかにひとり、どうしても違和感をぬぐえないひとがいた。 正確にいえば、それは「ひと」というより、もっとべつの生きもののように思えた。彼は終始...

2011年 11月 19日

enzian深まる秋

ときどき中学のときの夢をみる。体操服に着替えようとしているのだが、うまく着替えられなくて、授業に間にあうかどうかはらはらしている夢。着替えてグラウンドへ走りだそうとするが、手足が鉛のように重くな...

2011年 11月 14日

※自然のなかで

ほの暗さ

暦のうえではもう冬になったというが、京都はこれから紅葉の時期を迎える。紅葉は美しいが、京都の秋はどこもかしこもひとだらけで、ゆっくり楽しむどころではない。むしろぼくが好きなのは紅葉もすぎた晩秋。...

2011年 11月 10日

※その他

観念

「授業中にとつぜん先生の目つきが鋭くなって、なにかを狙っているのだなと思った」。こちらのちょっとした目つきの変化で心の動きを察知されていたと聞いて、その鋭敏さに驚く。たしかにそのとおりで、そのと...

2011年 11月 06日

※その他

粘土細工

昔、ぼくが学生時代、いつも大教室のいちばん前の席に座って、ろくろく授業は聞かず、一心不乱に紙粘土で怪獣をつくっている学生がいて、ぼくらはそやつを「粘土」と呼んでいた。何度か話しかけようとしたが、...

2011年 11月 02日

※山河追想

人差し指は覚えている

右手の人差し指にはふたつの傷あとがある。ひとつは釣り上げたタチウオに噛まれたあと。大阪湾の夜の防波堤でのできごと。噛まれたあとも根性で釣り続けた。もうひとつは、ずっと記憶をさかのぼる。小学校に入...

2011年 11月 01日

※その他

すっきりとぎっくり

坐ろうとしたときにグキリときた。こんな言葉、使いたくもないが、ぎっくり腰なのである。せんじつ、とある大学の方が、いかにもぎっくり腰でさくさくとは歩けませんという風な身のこなしでエレベーターに入っ...

2011年 10月 29日

※キャンパスで

思い切る

「思い切る」という言葉はずっと「決心する」の意味だけだと思っていたが、「断念する」「あきらめる」の意味を含んでいると知ったのはいつのことだったか。『星の王子さま』を読んだときだったかもしれない。...

2011年 10月 27日

※その他

見なかったことにして

バスを降りると盛んに雨が降っている。いらっとしながら折りたたみの傘を開けようとすると、暗いバス停に若い女性がひとり立っていた。傘をもっていないらしい。バス停からさほど遠くないところに住んでいる女...

2011年 10月 24日

※その他

エチケット

つねひごろ、どうしてひとはあいも変わらないのかと不満ばかりもっているが、たった半年で、すっかり別のものになったり、きれいにもとに戻っていたりするのを目の当たりにすると、なんとまぁひととはフレキシ...

2011年 10月 19日

※写真

清涼飲料水

あんなにうとましかった夏の暑さが、もう懐かしい。

2011年 10月 15日

※その他

ぴりぴり、ひりひり

とある四川料理店にいったときのはなし。その店の麻婆豆腐は唐辛子や花椒がしっかり使ってあり、かなり本格的に辛く(辣)て、痺れるような味(痲)付けで、この手の料理を食べ慣れているぼくからしても限界の...

2011年 10月 13日

※その他

ぴょん吉、その後

なんにんかのひとにぴょん吉のその後を聞かれたので、書く。こんな話、読んでいるひとがいるとは思わなんだ。引越の日、部屋のものをすべて出してしまうというので、心配していたのは知らぬうちに彼を踏みつぶ...

2011年 10月 09日

※キャンパスで

慧眼の士

半年間のブランクを埋めることに追われる。資料を整理していたら、校医の先生が退任なさっていたことに気づいた。思わず「しまった」とつぶやく。 その名前は学生時代からあったし、たしかに今年まであ...

2011年 10月 07日

※キャンパスで

いつも前から歩いてくるひと

ときどき向こうから歩いてくるひとがいる。誰だか知らない。脇目もふらず、まっすぐ前を向いてどうどうと、ゆったりと歩いている。こちらに興味を示す様子はない。決まって手ぶらだが、ときどき小さなウェスト...

2011年 10月 07日

※キャンパスで

後ろ向きのまなざし

あたりまえだけど、学生もいろいろ。教師と学生の関係はいわゆる「師弟関係」だけだと考えているかたもおられるかもしれないが、ひととひととの関係だからそんな単純ではない。学生のなかには、「自分の方が能...

2011年 10月 02日

※街を歩く

金の星

はじめて聞いたときは調子外れに感じたが、しだいに耳慣れてきた。春と夏のころには「夕焼け」といっても、西日が照りつけていたが、このごろはそれが流れる17時になると、ちょうど夕焼けがはじまろうとして...

2011年 09月 29日

※その他

ぴょん吉のこと。

ぴょん吉というのは、ぼくの部屋で生活をともにしているハエトリグモのことで、あるとき小さな小さなハエトリグモがいるのに気づいて、こんな餌もないであろうところに置いておくのはしのびないと部屋から出し...

2011年 09月 25日

※その他

偉いひとは偉いひとなりに

偉いひとは偉いひとらしく、もっと偉そうにしてもらわないと困る。ぼくは、偉いひとはその偉さに応じて偉そうにすることを当たり前だとまではいわないにしても、「そうなることは理解できます」ぐらいに考えて...

2011年 09月 24日

※キャンパスで

彼岸花

もうすぐ彼岸というので、彼岸花がどこかに咲いていないか探しながら歩いていた。大学の片隅に一株だけ、雨に打たれて咲いているのをみつけた。 まだ授業のはじまらない学校にも学生は行き来しているが...

2011年 09月 22日

※その他

はらり

卒業生と話していると、「あのときは言わなかったのですが、じつは○○だったのです」というフレーズをときどき聞くことがある。ひとりの人間からなにかがはらりとほどけて落ちてくる瞬間に立ち会えることの ...

2011年 09月 18日

※その他

合間

論文を書いていると、どれほど緻密に筋書きを思い描いていたつもりでも、いつか行き詰まってしまう。論文ごとき書けずとも死ぬわけでもあるまい、というひともいるかもしれないが、研究することを生業の何割か...

2011年 09月 15日

※その他

なにかが変わりはじめている。

このところ、たしかになにかが変わりはじめている。いちばん最初に気づいたのは毛深くなってきたことだ。もともとぼくは毛深くないタイプだと思うのだが、東京にきて、みるみる毛深くなってきた。ごわごわなの...

2011年 09月 09日

※テレビ・新聞より

聖なる物語

なんでもかんでも東北のためにとか、被災地に勇気を与えるために‥‥といったストーリーで意味づけるひとがいて驚いてしまう(ついでに言うと、この「勇気を与える」という言葉づかいには違和感を覚える)。揚...

2011年 08月 26日

※その他

積年の願い

歳をとって好きなものが増えるのはうれしい。いまから思えば小さいころには食べ物の好き嫌いがたくさんあったのだが、どれも、いつのまにか好きなものになっている。 おはぎが好きになったのはひとつの...

2011年 08月 21日

※キャンパスで

牧歌的対話

立派なひとがいると思う。ここでいう立派なひととは、生活や世界の全体にわたって肯定的な読み方ができるような回路を張り巡らそうとするひとで、けっこうどこにでもいる。自分の周囲が立派なものだと思うだけ...

2011年 08月 14日