リアス式海岸

ときどき卒業生からブログを読みました、と言われることがある。ぼくはこのブログをいま接している学生のために書いているわけではないので、読んでいる学生はほとんどいないだろうし、なにを書こうと記事についてなにごとかを言われることもないが、不思議と、卒業生たちがなにかを言ってくれることがある。卒業して、大学とは似ても似つかぬ環境のなかに身を置けば、不意に大学の匂いが懐かしくなるときもあるのだろう。

先日も言われた。「ブログを読みました。せんせいがお母さんとお祖母さんについて書かれた文章が好きです」。祖母についてはいくつか書いているが、母についてはごくまれにしか書いたことがない。たくさんある記事をよほど遡って探し出してくれたのだろうと思った。そして、なぜ母と祖母について書いた記事がいいと思ったのか、気になった。

考えてみて、そのような記事のなかには、いつもの入り組んだリアス式海岸のようなぼくがいないからなのだろうと思った。普段着の自分の不誠実さには自信がある。だから、たいてい誰の前でも上手にウソをつくことができるが、祖母と母の前ではつけない。
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by enzian | 2008-12-23 17:08 | ※その他 | Trackback | Comments(0)

身の周り半径5メートルほどにある、なにげない日常をささやかに見つめ直します。


by enzian
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