「処分」

TAと呼ばれる人たちと組んでする授業があります。TAというのは、1年生向けの授業(導入授業)のアシスタントを自ら志願した人たち(大半は院生)で、みんなしっかりしている。TAたちへの指示はぼくがすることになっているのだけど、ぼくはちゃらんぽらんだから、授業前のミーティングとかでは、まぁ毎回いいかげんな指示を出すわけです。それで、いざいくつかの小教室にわかれた授業がはじまってから、「しまった!ミーティングで言い忘れた!」と思ってあわてて各教室に駆けつけると、どの教室でも言い忘れたはずのことをしっかりTAが学生に説明していて、いつもなんの問題も起こらない。

指示と指示を受ける人の関係を、1.指示されたことさえできない、2.指示されたことだけできる、3.指示された以外のこともできるという、なにやら誤解を生じそうな険のあるパターンにわけるなら、ぼくがかかわるTAは3になるわけですね。TAというのは基本的に大学の “上澄み” のような人たちなのだろうけど、まことにりっぱなものです。

上の3をもう少し考えると、「先生(ぼく)は指示しなかったけど、忘れていたのだろうから、付け足しておこう」というのは、それほどむずかしいことではない。むしろむずかしいのは、「先生はこう指示したけど、これは(授業を受ける学生の立場からすれば)不適切だから、ちがうことをしよう」と判断することなのです。ある日、カードを使う授業があって、「不要なカードは処分してください」とぼくは指示したのだけど、あるTAが「『処分』という言葉がイヤだったら、横に置いておいてください」と言っていた。まいった、と思ったものです。
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by enzian | 2009-06-27 20:02 | ※キャンパスで | Trackback | Comments(0)

身の周り半径5メートルほどにある、なにげない日常をささやかに見つめ直します。


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