ぴょん吉、その後

なんにんかのひとにぴょん吉のその後を聞かれたので、書く。こんな話、読んでいるひとがいるとは思わなんだ。引越の日、部屋のものをすべて出してしまうというので、心配していたのは知らぬうちに彼を踏みつぶしてしまわないか、ということだった。朝、段ボール箱をガムテープで閉じていたら、うまくぴょん吉が飛び出してきた。このときばかりはなんとしても捕まえねばならぬと、大捕物をして、見事、御用にした。

どこに逃がそうと迷ったが、けっきょく、ベランダに置くことにした。ベランダはお隣さんたちとつながっているから、人間の部屋が好きなぴょん吉はどこか彼の好きなところにいくだろう。その部屋主とぴょん吉の相性がどうなるのか、スリッパでパンパン叩かれたりしないだろうかなどと心配になるが、考えてどうにかできるものでもない。「お元気で」と、いつも人間との別れのときにもいう言葉とともに、ベランダに置いたのであった。

半年ぶりに京都の山奥の家に戻ったら、カネタタキが侵入していた。夜ごとカンカンと風流なことである。ぼくはぴょん吉のことは忘れて、このカネタタキをあたらしい友だちにすることにした。お前の友だちは節足動物ばかりなのか。
by enzian | 2011-10-09 22:39 | ※その他 | Comments(0)

身の周り半径5メートルほどにある、なにげない日常をささやかに見つめ直します。


by enzian
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