「神さま、恵比寿さま」

海の近くにある食堂で朝食をとることにした。調理場では3人が忙しく働いている。漁師がやっている店のようだった。一人の老年の男性が「神さま、恵比寿さま」を繰り返しながら魚を捌いている。漁師が恵比寿神を豊漁の神としてまつることがあるというのは知っていたが、「神さま」と並べて呼びかけるひととは、実際にははじめて会った。それは豊漁を願っているのではなく、魚を捌いて供することにゆるしを求める言葉だったのだろうか。七福神にどこかコミカルなものを感じてしまう自分はすんなり理解できずにいた。そうこう考えているうちに、男性によって美しく捌かれ皿に並べられた魚たちを、ぼくは甘い醤油につけて食べた。
by enzian | 2017-05-04 17:56

身の周り半径5メートルほどにある、なにげない日常をささやかに見つめ直します。


by enzian
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